気になる3大問題
こんな様子をご覧になったら・・・お口の中をチェック
口呼吸
アレルギーや鼻炎などが原因で、お子さまが口で呼吸している場合、乾燥した唇を舌でなめる、下唇を噛むなどが癖になっていることがあります。歯が奥に押し入れられ、噛み合わせが変わる原因になっています。
口を閉じないでテレビを見ている
あごの発達と、歯の大きさのバランスが取れていないので、口が閉まらないことがあります。テレビを見ているときなど、ほかに集中しているときが特によくわかります。
手や指にかみダコがある、つめが極端に短い
自分の手や指、爪などいつも噛んでいるために、歯並びが悪くなっている場合があります。
食事にかける時間
お子さまの食事の様子を、ときどき観察してみてください。噛まないで飲み込んでいる様子はありませんか?飲み物で流し込んでいるように見えませんか?「噛まない」のでなく「噛めない」場合や、舌の動きがスムーズではない場合も考えられます。
子供で矯正治療を受けるメリット・デメリット
- メリット1
- 永久歯を抜かない矯正の可能性が増えます
- 永久歯がはえるスペースが不足している場合、奥歯を後ろに移動させたり、顎の横や前方への成長を促すことによりスペースが出来ます。
早期治療により将来的に永久歯を抜歯せずに本格矯正(ワイヤーによる矯正)ができる可能性が高くなります。
- メリット2
- お口の本来の機能を取り戻します
- 指しゃぶりや舌癖は、歯並びだけではなく発音や食べ物の食べ方・飲み方に大きく影響を及ぼします。
また、普段お口を開けている癖を引き起こします。
早期に癖を改善するとともにお口の周りの筋肉や舌の動きのトレーニングをして正しい筋肉の動きの習得を目指します。
- メリット3
- 早めの対処で永久歯での矯正(二次治療)の期間が短くなり易くなります
- 顎の成長のコントロールをしたり、永久歯を正しい位置に生えるように導くことにより
永久歯列になってから行う本格矯正(二次治療)が簡単で期間が短くなったり、必要がなくなる場合があります。
- デメリット1
- むし歯になるリスクが高くなります
- 矯正中は基本的にむし歯になりやすくなるので、注意深く歯のケアを行わないと、むし歯が出来てしまう恐れがあります。
- デメリット2
- 一時的に歯並びが悪く見えることがあります
- 矯正期間中、矯正装置が見えたり、一時的に歯並びが悪い状態になることがあります。
- デメリット3
- 成人になってから再度矯正治療が必要になることがあります
- 難しいケースの場合、小児矯正を行っても、成人になってから再度治療が必要になってしまうことがあります。
(特に受け口の場合には、成人になってから外科矯正が必要となるケースがあります。)
矯正治療の種類
顎の成長を利用した矯正装置
顎の骨が成長している学童向けの矯正治療装置です。顎の骨の成長をコントロールすることで、出っ歯や受け口を改善させます。またこの装置は取り外しが可能なため、学校にいる時間帯は外していることも可能です。
乳歯・永久歯の矯正治療
乳歯・永久歯の矯正
乳歯・永久歯の矯正治療の説明です。(永久歯の矯正の説明ではありません。)永久歯交換後、表側ブラケット装置にて再排列を行います。(但し不正咬合の種類で期間は変わります。)お子さまのお口の中をご覧になって、歯並びや歯の数、あごと歯の大きさのバランスに少しでも疑問や違和感がありましたらご相談ください。癖の修正や、噛み方や飲み込み方の訓練で治る場合もあります。また、永久歯の出てくる場所を確認し、確保することで将来を考えた治療もあります。学校での歯科検診結果や、お子さま自身からの相談など、より具体的な悩み事として現れます。お子さまご本人の意思が伴うことが大事ですが、ご家族からのわかりやすい説明(将来的な様子をイメージさせる)と、経済的な応援があれば、小学生でも一般的な矯正治療を行うことができます。歯の裏から装置を付ける方法ならば目立ちません。思春期の女の子でも見た目の負担が少なくて済みます。
子供の矯正の治療期間
実際に装置を常時つけて、毎月(4~6週間に1度)の処置を受けていただくのは3年前後です。
そして、骨の発達が落ち着く18歳ごろまで経過観察を続けます。
日常生活で気をつけること!
装置の装着で、歯磨きがしにくくなります。
ときどきはご家族が点検してあげたり、当院で指導した歯磨きの仕方で正しく行っていたら褒めてあげるなどのサポートをお願いします。
また、外部からの圧力がかかると口の中を傷つけたり、装置自体を破損させたりすることがありますので、体育の時間・球技時などは注意が必要です。
吹奏楽などの部活動に支障が出ることもあります。
こういったデメリットも、矯正が進むにつれて、慣れや矯正部分の進行によって変わっていきます。
矯正のタイミング
開始時期……何歳から始めるのがいいの?
来院されるご家族から、矯正治療の開始年齢についての質問をよく受けます。個人差はありますが、お子さまがご自分の歯並びについてまわりと比べ、「このままじゃ嫌だから何とかしたい」と思ったとき、そしてご家族に応援できる経済基盤があれば、開始はいつでも問題はないと考えております。未就学時期にそうした自覚を持つのは難しいことかもしれません。でも、ご家族からきちんと説明され、納得すれば治療に入ることができます。また、なるべく早期であればよいという考え方もありますが、その症状などによって経過措置をとる場合もありますし、癖の修正を優先することもあります。
幼少期(3~5歳)
骨などが未発達で、歯の移動は容易ですが、本人に治療への自覚が備わってないことが多い時期でもあります。ただし、乳歯の問題が、永久歯に生え変わるときに影響を与えるものであれば、緊急を要します。個人差と症状の違いによって診断が変わりますので、きちんとした診察をおすすめします。
小学校低学年/小学校高学年について
一般的に、治療への理解もできて、適切な治療を症状に合わせて選べる時期です。あごの骨格が未発達なため、抜歯をしないなど負担が少ない治療法を選べる場合もあります。しかし、これも個人差と症状の違いがありますので、やはりきちんとした検査と診断が必須です。